剣道のルールを知りたい人必見!初心者にわかりやすく剣道のルールを解説

剣道

「子供が剣道を始めたので、試合を見たけど剣道の知識がないので、ルールが全く分からなかった」

「剣道を始めてみようと考えているけど、剣道ってそもそもどのようなルールなのだろう」

と疑問に感じてはいませんか。

 

剣道のルールは、一見複雑そうに見えますが、実は単純で全く難しいものではありません。

なぜなら、1対1で戦う競技であり、竹刀で相手を打突する箇所もたった4ヶ所しかないからです。

剣道は、ルールよりも動きの速さで分かりにくくなっており、試合で決められていることは多くありません。

 

この記事では、剣道を30年以上続けてきた経験を基にわかりやすく剣道のルールについて解説します。

この記事でわかること

・剣道の服装と試合の基本的な流れ
・試合場について
・試合開始時の礼法
・剣道での1本
・試合時間
・試合終了時の礼法
・試合中の禁止行為

 

剣道の服装と試合の基本的な流れ

最初に剣道の服装と試合の基本的な流れを簡単に解説します。

剣道を行う時は、剣道着・袴を着用し、面・小手・胴・垂(たれ)の剣道具を身につけ、竹刀を使って実施します。

この状態で剣道を行います。

自分が持っている竹刀で、面・小手・胴・突きを正しく打突することができれば審判の旗が上がり1本となります(小中学生は突きが禁止されている)。


剣道は3本勝負で行い、相手より先に2本取った場合に勝ちとなります。


相手より先に2本取った場合以外でも、自分が1本を先に取った状態で試合時間が終了すると勝ちとなります。


試合時間の中で、お互いに1本を取ることができなかった場合には、個人戦であればどちらかが1本を取るまで延長戦が行われます。


団体戦であれば引き分けになるルールがほとんどです。

 

次からは、より詳細に剣道のルールを解説します。

 

試合場について

剣道の試合場について解説していきましょう。

試合場は、9〜11メートル×9〜11メートルの正方形または長方形が基本です。

試合場の中央部分には

 | × |

の印が付けられています。

この印の意味は、|の印が選手の立つ場所である開始線、×の印が試合場の中心となっています。

選手は開始線に立ち、中心に向かって構えることとなります。

 

試合開始時の礼法

試合を開始する時には
青四角の位置に立った状態で、お互いに気持ちを合わせて礼を行います。


礼をした後には左手で持っている竹刀を腰に当て右足から大きく3歩出していきます。

3歩目で竹刀を相手に向けて構えながら|の開始線の箇所に右足のつま先がつくようにして蹲踞(そんきょ)をします。



この状態が蹲踞です。


お互いが蹲踞(そんきょ)の姿勢になっている状態で、審判が「はじめ」と号令をかけた瞬間から試合が始まります。

試合が始まってからは、制限時間がくるまで1本を取るために勝負をするのみです。

 

剣道での1本

剣道での1本の事を「有効打突」といいます。

有効打突とは、

『充実した気勢、適正な姿勢をもって、竹刀の打突部で打突部位を刃筋正しく打突し、残心あるものとする』
(引用元:全日本剣道審判規則・細則)

と明確に定義があります。

この定義に従って、審判員は1本の判定をしているのです。

難しい言葉で書かれていますので、一つ一つ解説します。

 

充実した気勢

「気合いや声がしっかり出ていること」という意味です。

剣道を見たことがある人はわかると思いますが、剣道ではとても大きな声を出して行います。

それは、1本を取るために「充実した気勢」が必要となるからで、声を出していなかったり、小さい声では1本を取ることができません。

 

適正な姿勢

『打った時の姿勢が正しいこと』という意味です。

剣道は持っている竹刀で、相手を叩けばいいというものではありません。

1本を取るためには、正しい姿勢が必要となり、上半身と下半身が一体となって打突しなければいけません。

 

竹刀の打突部

竹刀の打突部とは

物打を中心とした箇所のことをいいますが、たいていの場合は先端から中結の箇所のことをいいます。

剣道で相手を打つ時には、物打の箇所で打たなければいけません。

先端や根元の箇所で打っても1本にはならないのです。

 

打突部位

剣道で打突する場所は、面部、小手部、胴部、突き部の4箇所と決められています(小学生と中学生は突き以外の3箇所)。

 

刃筋正しく打突

刃筋正しくとは、竹刀の向きのことをいいます。

刀には、切ることができる方向が決まっています。

竹刀では弦(つる)と反対側が切れる方向となります。

竹刀は、刀に見立てて作られているので、刀が切れる方向と同じ方向で打つ必要があるのです。

 

残心あるもの

剣道では自分が打突した後でも気を緩めず、相手からの攻撃に対して応じることができる気構えが必要となります。

審判が1本と旗を上げた瞬間でも、気を抜かず相手に対して心を残しておくことが重要となるのです。


以上の要件を満たすことで、剣道では1本となり審判の旗が上がります。

1つ1つを細かく解説すると難しいように感じますが、剣道を行なっていく過程で自然と身についてできるようになっていきます。

 

試合時間

剣道では、試合時間が設けられています。

試合の規模やルール、新型コロナウイルス感染症の影響で試合時間が異なることはありますが、

・小学生〜2分間

・中学生〜3分間

・高校生〜4分間

・大学生〜5分間

・社会人〜5分間

の試合時間で行われます。

団体戦では、試合時間内に勝負が決まらない場合は引き分けとなり、個人戦では試合時間内に勝負が決しない場合には、どちらかが1本を取るまで無制限の延長戦で勝負を行うことが一般的です。

 

試合によっては、団体戦であっても延長戦が行われるルールや、個人戦でも審判が試合時間内の戦いぶりをみて勝負を決める「判定」といったルールも存在します。

 

試合時間については、開会式や事前の審判監督会議で必ず指示されるので、聞き漏らさないようにしておきましょう。

 

試合終了時の礼法

自分が先に2本取った時や先に2本取られた時はその時点で試合が終了します。

試合時間を使い切るまで試合を行った場合には、試合時間が終了すると係員が笛やブザーで審判員に試合終了の合図を送ります。

係員から試合終了の合図を受けた審判員が「やめ」の号令をかけ、そこで試合終了となります。

 

試合を行っていた選手は、審判員の「やめ」の号令で試合を終え、試合を開始する時に蹲踞(そんきょ)した|の開始線の場所に戻ります。

お互いが構えた所で審判員は「引き分け」や「勝負あり」の号令をかけます。

 

審判員の号令の後、構えた状態から蹲踞(そんきょ)を行い、竹刀を腰の位置に戻し、再度立ち上がり最初に礼を行った場所まで戻った後、お互いに礼を行います。


礼を行った後は、試合場の中を通らずに白線の外側に一旦出た後、試合場から出ていくようにしましょう。

 

試合中の禁止行為

剣道の試合は禁止行為が定められています。

禁止行為の中でも不注意によって起きてしまう軽い行為から故意的で重大な行為まで様々なものがあります。

 

試合中によくある禁止行為は

 

試合場の外に出る
相手から攻められて下がってしまった場合や、試合場の端で相手から体当たりをされて思わず出てしまう場合など

 

竹刀を落とす
相手の払い技に対処しきれなかった場合や、技を空振りした勢いでそのまま竹刀が手から離れてしまった場合など

 

時間空費
時間内に1本を取った時や団体戦で引き分けるとチームが勝ちといった状況の時に試合時間をかせごうとする行為のことをいいます。
つば競り合いの状態からずっと相手にくっついていく行為など

があります。

このような禁止行為は審判から「反則」と宣告され、2回繰り返してしまうと相手に1本を与えることになります。


禁止行為には今説明した行為以外にも

○相手に対する非礼な言動
○審判員に対する非礼な言動

があります。

非礼な言動を行った場合には、負けとなり相手に2本与えて退場させられることとなるので絶対に行わないようにしましょう。

 

まとめ

この記事では

・剣道の服装と試合の基本的な流れ
・試合場について
・試合開始時の礼法
・剣道での1本
・試合時間
・試合終了時の礼法
・試合中の禁止行為

について解説しました。


試合時の所作や礼法はとても大事です。

しっかりとルールを把握した上で、剣道を楽しみましょう。

 

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