子供に何か習い事をさせたいと思っているけど、剣道ってどうなんだろうと考えていませんか。
剣道は、スポーツと異なり、武士道の精神や美意識を大切にしてきた、日本古来の伝統的な武道です。私は、7歳の時から剣道を習い始めて、今では30年以上が経ちます。
その経験から
この記事では、私の30年以上の経験を基に、剣道を習わせることで得ることができるメリットについて解説します。
記事を読むことで剣道の魅力を知ることができ、子供に剣道を習わせてみたいと感じることでしょう。
この記事でわかること
・剣道を習わせるメリット・デメリット
剣道とはどのような競技なのか
最初に剣道とはどのような競技なのか、剣道のルールについて簡単に解説します。
剣道は剣道具を身につけ、竹刀を用いて行います。
体に道着・袴を着用し、剣道具である面・小手・胴・垂(たれ)を身につけた上で実施します。
剣道の試合はお互いの礼によって始まり、相手と構えあって対戦します。
相手が身につけている剣道具を、自分が持っている竹刀で正しく打突することができれば、1本となり審判の旗が上がります。
剣道は自分が持っている竹刀で、相手の剣道具を叩いただけでは1本になりません。
充実した発声や正しい姿勢、竹刀の向きなど様々な要因をみたして正しく打突しなければならないのです。
試合は、3本勝負で行われ、相手より先に2本を取るか、1本取った状態で試合時間を終えた場合に勝ちとなります。
試合時間は、一般的に小学生は2分間、中学生は3分間、高校生は4分間、大学生や社会人は5分間で行われます。
1本を取るまでの過程には、相手との心理的な駆け引きが存分にあり、集中力、忍耐力、思考力がとても必要になってきます。
剣道の詳細なルールを知りたい方は以下の記事も参考にしてください。
剣道を習わせるメリット
礼儀作法が身につく
剣道は、『礼に始まり礼に終わる』と言われるほど、礼儀作法に重きを置いています。
試合を実施する時の作法として行うのはもちろんですが、日頃の稽古の時から道場への出入りや稽古の開始・終了時、面をつける時など様々な場面において何度も礼を行います。
それ程、礼儀作法に重きをおいている競技なのです。
また、剣道の最大の特徴として、ガッツポーズの禁止があります。
試合で1本を取った時にガッツポーズをすると、1本が取り消されてしまいます。
そのため、剣道の試合においてガッツポーズを行う人はいません。
自分の強さを誇示することなく、勝っても負けても相手に対する感謝の気持ちをもって礼をする、この精神の美意識が剣道の魅力といえるでしょう。
集中力を高めることができる
剣道具の一つである面には、面金(めんがね)と呼ばれる格子状の金属が付けられています。
実際に面を着用してみると分かりますが、面金越しに相手をみるため極端に視野が狭くなり、とても見にくい状態となります。
それに加え、面の着用で耳がふさがってしまうため、視覚と聴覚に制限がかかった状態で稽古や試合を行わなければいけません。
五感の状態が制限されている中で、相手と対戦するには相当な集中力を要するため、剣道の稽古を積み重ねていくだけで、自然と集中力が身についていきます。
反射神経が鍛えられる
剣道の試合では、自分が持っている竹刀で相手の剣道具を正しく打つことができれば、1本となります。
実は、その1本を取る時の時間は本当に一瞬なのです。
剣道を初めて見る人は、1本になった瞬間がわからないくらい本当に一瞬で決まります。
剣道をやっていくには、一瞬の動きに対応していく必要があるため、反射的に動いていかなければいけません。
剣道の稽古を重ねていくうちに、反射的な動きが身についていき反射神経が鍛えられていきます。
個人でも団体でも戦うことができる
剣道の試合は、自分一人だけで戦う個人戦の試合と3〜7人のメンバーでチームを組んで戦う団体戦の試合があります。
団体戦の試合であっても勝負は1対1で行いますが、自分が負けても他のメンバーが勝つとチームとして勝利することができ、自分が勝っても他のメンバーが負けてしまうとチームとしては負けてしまいます。
団体戦では、勝ち・負けだけではなく、引き分けもあるので試合の流れというものが重要になってくるのです。
一人が勝つことによってチームに勢いがつき、流れを引き寄せることがあれば、一人の負けにより勝つと想定していた相手チームに負けてしまうこともあります。
団体戦は、個人個人の戦いぶりによって試合が大きく左右されるため、どのような展開で試合が進んでいくのかをみることは、剣道の面白みの一つだといえます。
一生続けることができる
剣道の競技人生は、他のスポーツと比べるとはるかに長いといわれています。
昭和の剣聖と呼ばれた持田盛二先生は、
剣道の基本を覚えるのに50年かかった
と語るほど、剣道の道は奥が深いのです。
剣道を長く続けていると分かりますが、自分の竹刀と相手の竹刀を交える事で、会話をしているような気分になることがあります。
体の動きだけでなく、ちょっとした心の変化によってお互いに動作が変わってくるため精神面がとても重要になってくるのです。
年齢を重ねて修行を積むことにより、相手の心の変化を敏感に感じ取ることができます。
身体能力が衰えたとしても、精神面で身体の衰えをカバーすることができ、若い人とでも一緒に剣道を楽しめるのが魅力です。
剣道を習わせるデメリット
臭いが独特で慣れるまでが辛い
剣道具は、基本的に洗剤などで洗うような物ではないため、汗などが蓄積し、非常に独特な臭いを発するようになります。
剣道具が、鹿皮などを使用して作られているため、皮の臭いと相まって強烈な臭いとなってしまいます。
剣道を続けていくと慣れていくので気になることはありませんが、慣れるまでには、時間がかかる人もいるでしょう。
初期費用がかかる
剣道を行うためには、剣道具一式と竹刀が必要になります。
さらに言うと、剣道具を持ち運ぶために必要な剣道具を収納する袋、竹刀を納めておく竹刀袋なども必要になってきます。
剣道具や竹刀などを揃えるだけでも数万円程度の費用がかかることは覚えておいた方がいいでしょう。
しかし、歴史のある道場ではお下がりの剣道具をもらえたりすることもありますので、他人が使用した剣道具でも気にならない方は、道場のお下がりをもらうのも一つの方法です。
私も中学生まではお下がりの防具を使用していましたが、特に気になることはありませんでした。
まとめ
今回は、剣道とはどのような競技なのかと子供に剣道を習わせるメリットとデメリットについて解説しました。
剣道とはどのような競技なのか?
・武士道の精神や美意識を大切にしてきた日本古来の伝統的な武道
・お互いに剣道具を身に付け、竹刀を持って相手の剣道具を正しく打突することで1本を取る競技
剣道を習わせるメリット
①礼儀作法が身につく
②集中力を高めることができる
③反射神経が鍛えられる
④個人でも団体でも戦うことができる
⑤一生続けることができる
剣道を習わせるデメリット
①臭いが独特で慣れるまでが辛い
②初期費用がかかる
剣道は競技としての面白さと人間形成の道としての奥深さを兼ね備えた武道です。
今こそ子供に剣道を習わせてみてはいかがでしょうか。
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