「剣道を始めたばかりで、すり足の方法がわからない。」
「すり足の時に足がすべらず、足さばきが上手にできない。」
とすり足と足さばきが上手にできないことについて悩んでいませんか。
すり足や足さばきは、繰り返し稽古を行うことで上達していきますが、意識しておかなければいけないポイントがあります。
この記事を読むことで、すり足を行う時に意識するべきポイントと足さばきを上達させる方法を学ぶことができます。
すり足と足さばきはワンセットです。
正しいすり足を身につけて、足さばきを上達させていきましょう。
すり足とは
剣道で動作を行うときに、道場の床と足の裏をすべらせるようにして移動する足の運び方をいいます。
すり足は、剣道以外においても相撲や芸能などで用いられる特有の動きであり、どの分野においても重要な基本動作の一つだという特徴があります。
剣道でのすり足は、剣道の基本動作である足さばきを行う上で非常に重要です。
足を上手に「する」ことができなければ、足さばきを上達させることができません。
すり足を行う時に意識するべきポイント
すり足は上手な足さばきを身につける上で、とても重要な動作となります。
そのため、すり足を行う時に意識するべき必要なポイントについて3点解説していきます。
自分の足の状態を知っておく
「自分の足の状態?」と疑問に思われた方がいるかもしれません。
すり足は、道場の床と自分の足の裏を「する」わけです。そのため、自分の足の裏の状態を自分で理解しておかなければいけません。
足の裏の状態を理解するためには、
緊張すると足の裏に汗をかきやすくならないか
足の裏に豆ができやすいかどうか
といった点を確認してみてください。
自分の足の裏の状態を知ることは非常に大事です。
足の裏の状態と床のタイプによって、すり足を行う時に意識するべきことが変わってくるからです。
道場や体育館の床の特性を知っておく
一般的な学校の体育館は、シューズを履いて活動することを考えて作られているため、剣道のように裸足で行うと動きにくくなる事があります。
反対に昔ながらの道場の床は、剣道を行うことを考えて作られているため、すり足がやりやすくなっています。
体育館の床、道場の床、それぞれにメリットとデメリットがあります。
体育館の床は足がすべりにくいため、すり足がやりにくいデメリットがあります。しかし、その分左足で蹴りやすいというメリットがあります。
反対に道場の床では足がすべりやすく、すり足がやりやすいメリットがあります。しかし、床がすべりやすく左足で蹴りにくいというデメリットがあります。
また、足の裏に汗をかきやすい人であれば、体育館の床がとてもすべりやすくなってしまいます。
左足で蹴る時にもすべってしまうことがありますので、その点は注意しておきましょう。
どちらの床ともメリット・デメリットがあります。
自分の足の裏の状態と床の状態で、すり足を行う時にどのようになるのかを理解してから、稽古や試合にのぞむといいでしょう。
指を使う
すり足をスムーズに行うために足の面全体を「する」ことばかり考えてしまう人は多いと思います。
しかし、足の裏面全体をすべらせるイメージではなく、しっかりと足の指を使うことでスムーズなすり足ができるようになります。
構えた状態で立ち、右足の指に力を入れて曲げてみてください。
小さい動きですが、足の指を曲げるだけで、自然と足全体が前へと進みすり足を行うことができるようになります。
足さばきとは
正しいすり足を身につけた後は、足さばきの稽古を行なっていく必要があります。
足さばきとは、相手を打突したり、相手からの攻撃をかわしたりするための足の運び方のことをいいます。
体をさばくときの基本となるのが足さばきです。
剣道では「一眼二足三胆四力」「手二分足八分」など足の使い方を示す言葉があるように、足さばきが非常に重要視されています。
剣道には様々な技がありますが、体を上手に使うことができなければ、1本にすることはできません。
その基本が足さばきになるので、しっかりとした足さばきを身につけましょう。
足さばきの種類
足さばきには大きく4つの種類があります。
歩み足
歩み足は、遠い距離を移動するときや、竹刀が交わらない遠い間合いから打突する時に行う足さばきのことです。
歩く時のように右足と左足を交互に前進、後退する足さばきになります。
送り足
送り足は、剣道で最も多く使われる足さばきの一つになります。
前後左右の方向に移動するときや一足一刀の間合いから打突するときに行う足さばきです。
移動する方向の足を動かした後、素速くもう片方の足を送り込むようにして引きつける足のさばき方になります。
開き足
開き足は、体をかわしながら相手に打突したり、防いだりする時の足さばきで、近い間合いから打突する場合に行うことが多い足さばきです。
右に開く場合は、右足を右ななめ前に出し、左足を右足に引きつけます。
左に開く場合は、左足を左ななめ前に出し、右足を後方に引きつけます。
継ぎ足
継ぎ足は、遠い間合いから打突する場合に行う足さばきです。
左足が右足を越えないように引きつけ、すぐに右足から大きく踏み出します。
足さばきが上達する方法
足さばきが上達する方法について解説します。
重心を考える
足をスムーズにさばいていくには、体のバランスを考えなければいけません。
構えた時の足は両足ともバランス良く力が加わっていると思います。
その力が、自分から攻めていくときには右足に重心があったり、打突するときには左足に重心があったりします。
このバランスを上手に保つことが、すり足を上手に行うコツになります。
どちらかの足に重心がある場合には、重心がない足は動きますが、両足で考えるとスムーズに動くことができません。
自分の足をスムーズに動かすことができる力の入れ方を考えて、両足のバランスを意識しましょう。
左足で蹴ることを意識する
通常、構えた状態から前進するときには、右足を動かしてから左足を動かすことが多いと思います。
この考えを改め直して、右足を動かすときには左足でしっかりと蹴ってから右足を動かしましょう。
周りから見ると、同じ動きをしているように見えますが、自分の考えが変われば動きが変わります。
② 左足で蹴ってから右足と左足を動かす
①と②ではすり足のスピードと動きのキレが変わってきますので、しっかりと左足で蹴るイメージを持ってすり足を行いましょう。
※後退する時には、右足で蹴るイメージを持ってください。
とにかく稽古して慣れる
足さばきを上達させるために重心を考えたり、左足で蹴ることを意識するように説明しました。
今までの説明より効果があることは、とにかく道場や体育館をすり足して、稽古で足さばきを鍛えることです。
足さばきは、剣道が上手になるために一番重要な基本動作です。
大事な基本を身につけるには、考えながら何度も繰り返していくことです。
最初はスムーズに足さばきすることができませんが、何度も何度も考えて動くことによって上手になっていきます。
・動く時の足の幅を変えながら動いてみる
・円を描くようにして足さばきを行う
・足さばきの種類を組み合わせて動き方を変えてみる
様々なことを考えながら稽古を行うと同時に、ひたすら足さばきの稽古を重ねていきましょう。
まとめ
今回は、すり足と足さばきについて解説しました。
すり足とは、剣道で動作を行うときに、道場の床と足の裏をすべらせるようにして移動する足の運び方のことをいいます。
すり足を上達させる3つの方法
2道場や体育館の床の特性を知っておく
3指を使う
足さばきとは、相手を打突したり、相手からの攻撃をかわしたりするための「足の運び方」のことをいいます。
足さばきを上達させる3つの方法
2左足で蹴ることを意識する
3とにかく稽古して慣れる
何度も説明しましたが、すり足・足さばきは剣道で最も重要な基本動作です。
簡単に身につくことは難しいかもしれませんが、毎日の稽古を意識しながら頑張っていきましょう。
すり足や足さばきと同時に正しい構え方についても学びましょう。
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